追い詰められているにもかかわらず、藍那は冷静だった。 「それを放てば直の勝ちでしょ?早く撃てばいいじゃん。」 藍那の陽気な声に、直は何も答えなかった。 ピクリとも動かない直を見て、藍那は溜め息を吐く。 「ね?言った通りでしょ?直に私は殺せないって…。」 「…黙れよ。」 直の低い声にも藍那は止まらなかった。 「自分の大切な人を殺せる程、人間って強い生き物じゃないんだよ、直。そんな事出来る人は…心が無い只の獣だよ?」 直の瞳に迷いが写った。