声に振り返ると、そこに居た人物は…


「…海。」


間違い無く、海だった。



「お前が俺の対戦相手?」



「あぁ。炎鬼を探して俺を倒せば、めでたくお前の勝ちだ。」



余裕綽々に笑う海に




俺も少し笑みを浮かべた。



「サンキューな、炎鬼。」



『は?』炎鬼の声が聞こえる。


「対戦相手に海を選んでくれてさ…。おかげでーー」



俺は側に突き刺さっていた剣を抜いて、一気に間合いをつめた。


「!」海も剣を抜き、俺の剣を受け止める。



「おかげで…遠慮無く本気で殺れる。」



ハハッ、炎鬼の笑い声が聞こえた。



『試練…開始だ。』