話を終えたお母さんは涙ぐんでいた。



「お母さん。話してくれてありがとう。」


「今まで、黙っててごめんね・・・。」


「いいよ。じゃあ、ちょっと涼のところ行ってくるね。」



お母さんは黙って見送ってくれた。




涼と私が兄弟・・・。


考えてもいなかった真実。







◇◆◇◆◇




緊張した気持ちで、涼の家のチャイムを押す。




「あら、結羽ちゃん。」


笑顔で出迎えてくれた涼のお母さん。




「あの、涼居ますか?」


「居るわよ。涼ったら、不機嫌な顔して帰ってきてたけど、海楽しかった?」


不機嫌ってあのキスのことかな・・・?



「あ、はい。」


「あの子ったらすぐに顔に出すから。部屋に居ると思うから上がって。」


「おじゃまします。」




涼の部屋まで急いで行く。