トゲトゲ

「助けてよ!」


「はいはい」


夏葵は勝ち誇った笑みをうかべチャラ男3人の前に立った。


「なんだよ?今から俺ら遊びに行くからそこどいてくんね〜?」


「うるっせぇな。その手離せよ」


「ああ゙ん?」


「その汚ねぇ手離せっつってんだよ」

夏葵の視線の先には
あたしの腰に回ってる男の手。

「嫌だって言ったら?」

ゲラゲラ笑いながら
茶化す男達。

「いいから離せよ。いい加減殺されてぇのか?あ゙?」

「ひぃ!」


さっきよりも
よりいっそう低くなった声。

獲物を捕らえて逃がさない鋭い瞳。

「さっさと失せろカス」


最後の一言を合図に
男達はいっせいに走り出した。


すごい・・・

何もしてないのに
おいはらっちゃったよ。

夏葵がいてくれて良かったかも。


もし、あのまま連れていかれたら・・・


考えるだけで吐き気がする。