この男、女の子に
持たせてるんです!!

こんなにも
か弱いあたしに!!

ありえない!

この状況からしてあたしを気に入ってるなんて絶対ありえないから!


あたしの理想じゃないし!
普通だったら〜

「俺が持つよ」

とか

「貸して。女の子に持たせるなんていけないからね」
とか

言うはずじゃん!!
(ただの妄想です)


「おい、聞こえてんのか?チビ」

「うるっさいな!ちょっと想像してただけだから!」

「ふ―ん。あ、何?もしかして・・・」


「な、何よ?」


怪しい笑みを浮かべながらあたしより遥かに先を歩いてた夏葵がこっちに来た。

「それ、貸せ。重いだろ?持ってやるよ」

ドキン。

な、何?いきなり。

いつもと違う
優しい声。

思わず胸が高鳴る。

「ほら」

「あ、うん」

あたしがカゴを渡そうと
した瞬間・・・

「とでも言ってほしかった?」

「・・・・」

はぁあぁあぁあぁあ?!


「お前の頭ん中透けてんだよバカ」


なにコイツ!

あたしのドキドキ
返せボケェエェ!!!!