「はい、じゃあそれぞれ準備して〜。買い出し係はさっそく行ってきてね。はい、これ先生から」


笑顔で渡されたお金と紙切れ。

紙?
なんだこれ。

とりあえずその紙切れも
お金と一緒に財布にしまった。


「あ〜めんどくさい」


「おいチビ。さっさと行くぞ」


こういうとこ真面目。

そういうのいらね〜よ!!

お前みたいなヤンキーは
脅して他の奴に行かせる
パターンだろぉ!!!


おっと、いいの発見。


「淕斗くん♪」


「何〜?」

近くにいた淕斗くんを
呼ぶとニコニコしながら
歩いてきた。

「あのね、買い出しなんだけど夏葵くんと行ってはくれないかしら?」


「うん。行ってはくれないよ♪」


・・・・
なんだよ!
いつもは夏、夏って
べったりのくせに!!


「とりあえずいってらっしゃい2人共♪」

グイグイ背中を
押されて仕方なく
買い出しに行く事に
なった。


淕斗くんと別れ際。

「夏は相手が椎那ちゃんだからめんどくさくても行くんだよ♪結構、椎那ちゃんの事気に入ってるみたいだし。じゃ、楽しんできてねデート☆」

あたしだけに聞こえる
ようにそう囁いた。

しかもデートのところを
強調して。