時を越えて ~約束~




囁くような、耳をすまさなければ聞こえないぐらい小さな声で花鈴が柚妃に聞いた。


柚妃は何も応えられなかった。




ふたりとも殴られたせいでボロボロだった。



何も応えない柚妃に花鈴が声を荒げた。



「どうしていじめられてるって言わなかったの!?柚妃は何も悪くないんだよ!?全部全部私のせいなのに…なんでそれでもまだ私といてくれるの…」



最後の方は独り言のようだった。


柚妃は力強く応えた。



「だって!!花鈴は悪くないもの!!知ってるよ、花鈴が強いことは。でも少しでも力になりたかった。だから私だけは味方だってわかって欲しかったの…」





その後ふたりは一緒になって泣いていた。

俺はなんとなくその状況を見ていたくなくてその場を立ち去った。