チャイムが鳴り終わると同時に,
担任の安藤先生が現れた。


「こらぁ〜お前達,チャイム鳴ったぞぉ〜!席につけぇ〜…」


教壇に立つ先生は,キョロキョロと辺りを見渡して,私達が席に着くのを確認する。

「今日は,皆に紹介したい奴が居る〜…えっと,里中君…入ってきなさい」


そう言うと,安藤先生は教室のドアを見つめると声をかけた。


ーー里中君……どっかで聞いたことのある名字……いや、まさかね。

私は,少しだけ期待した下心を,掻き消すように,ブンブンと左右に首を振った。