…《ゆーびきり,げんまん,》


…《うーそついたら,》


…《はりせんぼん,のーますっ!》


…《ゆびきったぁ〜♪》



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『ぴぴぴ…!ぴぴぴ…!ぴぴぴ…!』


枕元で鳴り響く,目覚まし時計が,
けたたましく朝の時間を知らせてきた。



「……うー……。」


布団の中で寝返りをしながら,唸る私。
その間も,未だに鳴り止まない目覚まし。

『ぴぴぴ!ぴぴぴ!!……カチッッ!!』

「うるさいっ!!つーのッッ」


やっと静まり返った時計に文句を言いつつ,お腹をボリボリとかきながら,大きな欠伸をひとつ。


なかなか起きるまでに時間の掛かる私は,時計の中で1番煩い目覚まし時計を購入して,今更ながらに後悔していた。


「うーん……よく寝たぁ…!」

伸びをして,パジャマを脱ぎ捨てて,制服に袖を通す。


…あ,勿論,パジャマはたたみますよ?
……女の子ですもの一応♪


《トントンッッ!》


「はーい!起きてますよ♪」

鞄を掴むと同時にノックが聞こえた。

《ガチャ…》

「あら、本当だ……おはよう。その目覚まし時計に替えてから,少しは寝起き良くなったみたいね♪」

「…どこが…(笑)…寝起きが良くなったんじゃなくて,目覚まし時計が煩くて寝られたもんじゃないからよッッ!」


朝の親子の会話なんて,こんなものだ。


「…朝食できたから、降りてらっしゃい」

そう言って部屋から出て行く時に私は,先程言った母の言葉に返事をして付け足そうとした…。

「はーい……あ,お母さん…珈琲は…」


「分かってるわよ,珈琲はミルク多めなんでしょ?…ちゃんと作ったわよ」


私の言葉を遮り,フフン(´ー`)と笑みを浮かべて,大威張り。


「むむ……」

私は何も言えなくなって,
ムスッと拗ねながら,珈琲を口に含んだ。


ーそんなお母さんと私の朝のやりとり。