――桜が満開に咲く中、あたしはやっと中学生になった。



初のセイラー服に身を包み髪の毛をポニーテールに結んで家を出た。



今日はクラス発表がある日。



小学校の時よりも少し早く家を出ると



冷たくて、でもどこかポカポカしてるような、風と太陽。



春の匂いが鼻につく。



くすぐったくて、でも愛らしい匂いがした。



こんな朝があったなんて気ずいたの遅かったな――なんて今になって気ずいたよ。



2年間の我慢が実りますように。



あたしは雄ちゃんと一緒の中学生になったことで


ほんのちょっと、大人になれたような気がした。