シュウ君がこの町に来たことで、雄ちゃんは前よりも遊んでくれるようになった。
サッカーを3人でするようになって、ミスってしまうと
「おまえはアホかぁ!!
鈍臭いねん、ミホ!!」
「しょうがないやん!!
だって‥‥、だって!!サッカーなんか見たことあるけどやったことないんやもん!! アホアホ言わんとってーー!! 雄ちゃんのバカーー」
泣き虫なあたしはいつもそうやって泣いていた。
泣いてもどんなにわめいても、雄ちゃんが『ごめん』と言って傍に来てくれたことなんて一度もなかった。
それどころか
「サッカーでもそうや、勉強でも‥‥走りでも、手を付けたやつは最後までちゃんとやり通せ!!
俺は泣き虫で根性なしが一番嫌いや!!」



