まだ5月と言うのに、6時を過ぎても明るい空。
昼間は教室に扇風機をつけるくらい暑くなった。
上から着ていたベストも 気づけば殆どの子が着てこなくなった。
下敷きで扇ぐ男子。
流行りの良い香がするスプレーをシューシュー付ける女子。
男子は煙たそうに目を細めている。
「ただいまー!」
靴を乱暴に脱いでリビングに鞄を放り投げた。
リビングにはいつものように居るお母さんの姿がない。
テーブルには可愛い封筒が一枚置いてあった。
「ん? 母さんの友達から? それとも父さんかな‥‥‥(笑)」
一人で言いながら笑った。



