なんて立ち上がって言っても無駄。 昔は『お兄ちゃん、お兄ちゃん』なんて走ってついてきた麗。 今はそんな面影さえもなくなった。 俺の真似が好きな麗は、小学校に入ると同時にサッカーを始めた。 でも、2年に上がる頃に挫折をして なぜか野球に転向した‥‥‥ものの またも途中で投げ出した。 一年間は何があっても続けろ!と言った俺に 文句を言いながらも続けた。 3年に上がったときには勉強も疎かになって スポーツにもとうざかったあいつを救ってやることが出来ないことに無念さを感じた。