「瑠李、どこから攻める?」


「う~ん、せやな…」


「関西全体は広いぞ」


「う~ん…」


うちと晃は今、ソファに座って作戦会議中。


作戦言うてもどこのチームから傘下にしていこうかと言う順番やな。


「関西で一番デカイのはうちら華龍や。うちらが言えば簡単で済むかもしれへんけど、関東から来た颯たちはいくらデカイとは言え、それは関東の中のことであって関西からしたらただの新人にすぎん」


「って事は、俺らの方が有利って訳か…」


「そう言う事になるわな。それじゃあ、つまらへんのや…」


「瑠李は何でそこまでして難しい方をとるんだ?」


「何がや?」


「だってよ、普通だったら今の俺らみたいに有利な立場にたってたらそれはそれで余裕ぶっこくのが普通の奴だろ?なのに、瑠李は自分が有利な立場にたってても余裕ぶっこくどころか、『それじゃつまらへんのや』とか言ってもっと難しい方を選ぶじゃねぇか」


「…そうか?うちはそう言うつもりで言うとる訳やないけど…」


「…で?どこから攻めてくんだ?」


晃が関西全部の族のリストがのってる紙を指で差しながらそう言った。


関西には約150の族がある。


だけどほとんど華龍ほど大きくはない。


それでもそれなりに強いチームはたくさんある。


関西で一番やっかいなのは“鬼蛇(きだ)”。


ここは人数もそれなりにいるし、とにかく争いごとの時は卑怯な手を使ってくる。


華龍も一回だけ鬼蛇と激突したことがある。