「アレ? いつもと違うじゃん」
「いつも あ~じゃなかったよね」



って隣にいた 和美に聞いてみた。



「えっ? 優子は聞いてないんだ」



「何が?」



「木村クン 転校するんだよ。」
「最後の試合になるから いつも以上に
 力入ってるんじゃない?」



「し、知らない・・・」


転校なんて聞いてない。



「そっか、私も昨日木村クンが
 職員室で先生に手続きのことで
 話してたのチラっ聞いただけなんだけど、
 優子はてっきり知ってるんだと思ってた」




そーなんだ。

それで あんなに真剣に言ってたんだ。



木村の最後の試合?


アイツが ココでやれる最後の試合を
頑張ってる。



アイツが 言っってくれたことへのありがとうを
見せなきゃ。




男子は休憩も取らず、 5セットを終えた。




アタシ達は休憩後、3セットを終えた・・・。





あとの3セットは 接戦ながらも勝った。




「木村・・・」



「すでに 男子は 着替えを済ませて
 チャリ置き場にいた・・・」



「木村は?」



「木村先輩、今日の飛行機らしく そのまま空港って
 言ってました」




行っちゃった・・・



木村のチャリはもうなくて・・・