【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上




「何?」


さっきまでとは違って、いつもの無愛想な佑斗に戻っている。


けだるそうに振り向くと、私を見つめた。


「私・・・」


そこまで言うと言葉に詰まり、後が続かない。


しばらく黙ったままうつむいていると、


「オレ、もう寝たいんだけど」


冷たく言い放たれたと同時に、気持ちが高ぶって涙が出てしまった。


もう、最悪。


泣き落としなんて、きっと佑斗は大嫌いだろう。


「何だよ?言いたい事があるなら、ハッキリ言え」


「私・・・私も、佑斗が好き」


涙でグチャグチャな最悪な顔で、私は佑斗を見つめた。