「じゃ、琴を待たせてるから。晴彦、頼んだからな」 「は、はい!」 直立不動で立つ晴彦を、さらに睨みつけて、佑斗を呼び止めた。 「ねえ、佑斗。琴ちゃんて、何でうちに来てるの?」 それくらい、教えてくれてもいいでしょ? 「たまたま再会して、オレが呼んだから」 「佑斗が?わざわざ?」 人を呼ぶなんて、しなさそうに見えるのに…。 「そっ、わざわざ。だって、あいつオレの初恋相手だから」 それだけ言うと、佑斗はまた戻って行った。