【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上




「じゃ、琴を待たせてるから。晴彦、頼んだからな」


「は、はい!」


直立不動で立つ晴彦を、さらに睨みつけて、佑斗を呼び止めた。


「ねえ、佑斗。琴ちゃんて、何でうちに来てるの?」


それくらい、教えてくれてもいいでしょ?


「たまたま再会して、オレが呼んだから」


「佑斗が?わざわざ?」

人を呼ぶなんて、しなさそうに見えるのに…。


「そっ、わざわざ。だって、あいつオレの初恋相手だから」


それだけ言うと、佑斗はまた戻って行った。