【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上




自分が情けなくて、涙が出てくる。


廊下をトボトボ歩いていると、晴彦が走って追いかけて来た。


「若姐さん!待ってください」


その若姐さんっての、やめて欲しいんだけどな。


気が重く振り返ると、息を切らしながら私の目の前で立ち止まった。


「あ、あの・・・。若旦那の事、誤解しないでください」


「誤解?」


晴彦は頷くと、私の目を真剣に見つめた。


「若旦那って、本当は優しくて、情に厚い人なんです。口は悪いけど・・・」


オーラも怖いけどね。


「そうなんだ・・・。晴彦って、佑斗が好きなんだね」


そう言うと、晴彦は慌てて否定した。


「い、いや、そんなんじゃないですよ!ただの憧れです」


「分かってるって。そういう変な意味じゃないよ」


思わず笑いが出たじゃん。