【完全版】秘密のフィアンセ☆ 上




この辺りは、人気はないけど、家や街灯が多いから、夜道でもそれほど怖くない。


「それにしても、痛い…」


歩きながら、自分が足袋のまま出てきた事に、今頃気付いた。


アスファルトとはいえ、ほとんど裸足みたいなもの。


歩きながら、足の裏が痛くなってきた。


「でも、歩かなきゃ」


早くタクシーを…。


そう思っていた時だった。


「そうまでして、家に帰りたいのかよ」


後ろから聞こえたその声に、心臓が止まりそうなくらい驚いた。