このまま、帰っちゃおうか。 佑斗はシャワーを浴びてるし、気付かれないよね。 目の前の庭から出れば、家の人には気付かれずに玄関に行けるはず。 そうだ。 帰ろう。 帰ったら、さっそく抗議よ。 こんな婚約なんかさせて、お父さんを恨んでやるから。 そうと決まれば、早く行かなくちゃ。 ほとんど衝動的に部屋を出ると、ガラスドアを開け、庭を走った。