この婚約、破棄する事は出来ないの?


私、このままここで暮らさなきゃいけないのよ?

「じゃあ、娘をよろしくお願いします」


すっかり陽が落ちた頃、お父さんとお母さんは、帰り支度を整え、頭を深々と下げた。


「ちょっと待って!」


このまま帰られたんじゃ、納得いかない。


駆け寄る様に、お父さんの側へ行くと、私が話すより先に言われてしまった。


「由奈。しっかり頑張るんだぞ」