あたしと涼太が校舎を出ると、職員玄関から数人の先生たちが出て来た。
先生たちがあたしたちに気付くと、冷やかすように声を掛けてくる。
「仲良いなぁ、お前ら」
「勉強おろそかにするなよ?」
「大丈夫っすよ♪俺ら、常に10番以内ですから!」
涼太はわざとあたしの手を握り、その手を見せ付けるように言った。
その先生たちの中に大和もいた。
「高橋先生!!羨ましいでしょ♪」
あたしは、大和に笑って言った。
大和は、あたしに微笑んで、
「手離すなよ!」
と言ってくれた。
あたしは、涼太の手をギュッと握った。
−−−−−−−
大和、あたし、ホントに大好きだったよ。
大和もあたしを好きでいてくれてたよね?
先生と生徒…って関係だから、「好き」って言ってくれなかったんだよね?
あんな辛い顔させるくらい…
好きなのに好きって言えないのは辛かったよね…
あたしは、もうちゃんと好きって言える恋愛しかしない…
ありがと、先生。

