「ま、待ってよ!!」
涼太があたしの方に振り向く。
「勝手に別れ話しに来ただなんて決めつけないでよ。」
「は?違うの?」
「ってか、勝手にあたしを見てたなんて…知らなかったし…」
「《見ててもいいですか》なんて許可とるか…バカ」
「バカって言わないでよ!
あたしは…大和…高橋先生がずっと好きだったの。」
「聞きたくねぇ…」
「聞いて!バカ!
でも…それはもう終わった話なの。高橋先生に会って、好きだった自分を思い出してただけだって…さっき知ったの!」
「……」
「あの時…初めて涼太と二人きりになった時…
あたしは涼太に一目惚れ…して。
涼太に…オチたんだもん!!」
あたしは、今どんな顔してんだろ。
泣いてるのは間違いないみたい…
「…バァァァカ」
涼太はあたしの顔を両手で包んだ。
あ…
そう。あたしは、涼太のこの目にオチたんだ…
あたしは吸い込まれるように涼太の目を見つめた。
そして涼太はあたしの目にキスをおとし、
そのまま優しく唇を重ねた。

