「昨日泣いてたのはどこのどいつかな?」


紛れもなく、私です。

意地悪な顔で聞いてくる弘人くんがおかしくて、

顔が緩む。


「ふーん、笑顔つくれんなら大丈夫か」

「え?」


もしかして、心配してくれたのかな?

親友の彼女のことを?

優しすぎるね。


「立ち直ったわけじゃないよ」


静かに呟いた。

そう、立ち直れたわけじゃない。

昨日精一杯考えた。

寝不足になるくらい考えた。

結論が出るまでもなく・・・。

立ち直ったふりをしようって決めた。