「マジかよ?」

「うん。さっきから、ドキドキしてる」

「繰り返しになるけど、それは『発作』じゃなくて?」

「違うと思う。大分、時間が経ってるから」

「そうか、恋か。外村が…」



流水はニヤリと笑った。



「外村。おめでとう」

「何が?」

「よかったじゃん。恋が出来て。恐怖症が治るかもしれないぜ?」



…たしかに、異性に恋をするのは、僕の恐怖症が治るきっかけになるかもな。



拳を突き上げる。



「澤口。僕、頑張って、あの人に近付いてみる!」

「おう。俺もサポートしてやる!」



拳を交わした。