輝空-koukuu-

「親がおかしいんだよ。希望を持っていいと思う」

私はさっと立ち上がった。

「希望さえあれば・・・夢を信じていれば、きっといつか叶うよ」

保障はどこにもないよ

でも保障なんて関係ない

自分が信じた夢なんだから、努力してあたりまえでしょ?

だから、きっといつか叶うよ。

「・・・そっか。」

すると、後ろから富ばあちゃんがやってきた。

「今日はもう日が暮れるよ。早く家に帰りなさい」

私と武は、今日のところはもう帰ることにした。




星が見えるほど暗くなったとき、武が降りる駅に着いた。

「じゃあな!今日は色々とありがと」

武は元気良く手を左右に振った。

「うん!じゃあ、また明日ね」

ゆっくりとドアが閉まる。

だんだん武が小さくなっていって、やがて消えた。

・・・今日も疲れた。

そろそろ、学校行かないと出席日数やばいな・・・

明日は午後からあそこに行こうっと。



武は暗い夜道を歩いていた。

今日も朱音とケンカをして、足は傷だらけだった。

「あーあ・・・あの凶暴女」

口から出る言葉は朱音を憎んでいたが、顔は確かに笑っていた。

しかし

悲劇が起きた。




「あれ・・・雨?さっきまで晴れてたのに」

電車に乗る私の耳に響くのは、鐘の音のような雨だった。

雨の鐘かぁ・・・目が覚める。

「○☆市ー、○☆市ー!」

あっと、降りなきゃ。

私は駆け足で家に帰った。