私の愛した人

「ごめん桜…」

彼女を追いだし、私に振り返り圭吾が言う。

「あの子誰なの?」

譲らないとかなんとか…

まさか元カノ?

元カノがあんなに年下で、家に出入りしてるのもおかしな話だ。

「あー…あれは…
い、妹かな?マリアっていうんだ」

少しぎこちない返事に私は納得できない。

圭吾が人間じゃないってことは知ってる。

だからきっとこの家にいる人も大体は人間じゃないのだろう。

きっとお祖父さんは人間じゃない。

圭吾の血縁関係であそこまで親しいならそうに違いない。

それならきっとマリアも人間じゃないのかもしれない。

私は勝手にいろんなことを考えた。

でも彼に私が彼らの正体を知っていることがバレてはいけない。

圭吾だって私から離れてしまうかもしれない。

私はここでその言葉を肯定するしかないのだ。

「…そうなんだ。みんな外人ぽいね」

私は笑ってごまかすことにした。

「そうかな?」

「そーだよー。みんな日本じゃありえないほど肌が白くて目の色が違うもん」

私は笑う。

出来る限り自然で無邪気に笑う。


悟られてはいけない。




たとえそれが愛しいあなただとしても…