私の愛した人

「…す、すみません」

私が慌てて服装を正すと彼女は鼻で笑った。

何かと思い彼女を見るとこちらへむかって歩いてきているところだった。

そして私の胸ぐらを掴み上げ、黒い不敵な笑みを浮かべると私にささやきかけた。

「圭吾の恋人気取りは結構ですが、所詮あなたはすぐに死ぬのです。
せいぜい今をお楽しみになって?圭吾と永遠に過ごすのはこのわたくしですのよ?」

半ば力強く私をベットに振り落とすと彼女は高笑いをした。

「ちょ、マリア!桜に乱暴すんじゃねぇっ」

圭吾が怒って彼女を突き飛ばした。

「まぁ!か弱きレディに手を挙げるなんて酷いわ!
圭吾、そんな意味のわからないクソガキ捨ててしまいなさいよ」

かなりの勢いで突き飛ばされたのに、彼女は一歩後ろに下がっただけ。

どこがか弱いのだろう?

さらに彼女はどう見てもまだ中学生くらいにしか見えない。

私をクソガキ呼ばわりできるほど年上でもないのに、なんなんだこの子は。

姑か?

私は怒る気にもなれず、ただただ彼女を見つめた。

「おまえに関係ないだろっ。俺は桜が好きなの!早く出てけよっ」

圭吾は私を気にしてか、彼女を部屋の外に押し出そうと必死になる。

ようやく扉の向こう側に出された彼女は、私に向かって一言叫んだ。

「圭吾は譲りませんから!」