あったかい。
ほんのり花みたいに甘い香に包まれて、すごくホッとする。
何かが私を包み込んでいて、サラサラと髪を撫でている。
それはとても心地よくて、私が猫なら喉を鳴らすところだ。
そっと目を開けると目の前に圭吾の顔があった。
彼はふっと微笑み、私を自分に引き寄せた。
「起きた?」
「ごめん、寝ちゃった…」
少しぼんやりとする頭。
視界に白いシーツと白いシャツから彼の鎖骨が垣間見えた。
なんか、少しエロい…
「桜起きないから俺の部屋まで運んじゃった。
ちゃんと寝なくちゃダメだよ?」
圭吾が私のおでこにそっとキスをした。
「ん。ごめん…」
甘い甘い香りに酔いそうになる。
「ま、俺は桜とベタベタできてうれしーけどねっ」
「ちょ、やめっくすぐったいよ」
圭吾が私の首に頭を埋め、グリグリとこすった。
子犬がじゃれてきているみたいで、おかしくなった私もケタケタと笑いだした。
ガチャッ
急に扉が開く音がして圭吾がビクッとする。
私は頭だけを持ち上げて、扉のある方向を見た。
そこには蒼い目をした黒い長髪のお人形さんみたいな女の子が立っていた。
「あんまりここでイチャつかないでくださる?」
鈴のように可愛らしく澄んだ声が私を見透かすようにツンっと鳴った。



