私の愛した人

私がそう考えていることに気付いているのかどうかはわからないが、御冬さんがこっちを見ていた。

私と目が合うとすぐに前を向く。

何かプレートのようなものを見つめて、口を開いた。

「ちょっとそこのバカ女。もうつくわよ」

「ばっ…ばか!?」

「何か違ったかしら?」

いけしゃあしゃあと御冬さんは冷めた目で見下しながらいった。

「いえ…なにも…」

━━ほんっとヤな女ー!!

反論するだけ無駄だと思った私は黙っていることにする。

急に床がとまる。

電車がとまったときの衝撃によく似たものに襲われる。

私以外の三人はなれているので、震動に耐えることができた。

もちろん私は予想していなかったので、バイクから落ちそうになったところを可憐に助けられた。

「大丈夫か?」

「あ、ありがと…」

私は少しびっくりしたせいで、苦笑い気味に言葉を返す。

そんな私を見ていた御冬さんが鼻でフンッと笑った。

「ほんっと鈍臭いわねー。コイツ使い物になるのかしら?」

見下されてなんだか無性にイライラしてくる。

「知らないんだから仕方ないじゃないですか」

「今からすることはそんないいわけ通用しないわよ?」

不適な笑みを浮かべて御冬さんが扉を開いた。