私の愛した人

「それってどーゆう…」

私の質問がいい終わる前に家の前で一台のバイクがとまった。

「おーい!さくらぁー!」

私の部屋の真下で、大人の姿をした可憐が大声で私の名を呼んだ。

私が返事をしようと窓から体を乗り出そうとした時には、可憐はバイクの上から塀の上に。

そしてあっという間に私の部屋の窓枠に飛び乗り足をかけ、細い腕を私の首に巻いてバランスをとった。

「呼びに来てやったぞ!」

体だけは私よりも大きな可憐だが、中身はやはり少し幼い。

「呼びにって?」

「これから訓練に来てもらおうと思ってね」

気が付くと御冬さんと一緒になって、部屋に入り込んでいた五島さんが可憐のかわりに答えた。

「訓練て?」

まだ私の頭は彼らの話についていけず、再び質問をする。

「吸命鬼討伐のための武器訓練だ!」

誇らしげに可憐は胸を張った。

「そーゆーことね」

御冬さんはさっきまでの話はなかったことのように話題に入ってきた。

「そういえば御冬さん。さくらさんに“アレ”は渡したんですか?」

「まだよ?」

五島さんの問い掛けに御冬さんはシラっと答えた。

「アレってなんですか?」

私が御冬さんに聞くと、御冬さんはポケットからメガネケースほどの箱を引っ張りだした。