私の左手の薬指には指輪がはまっていた。

少し太めのシルバーの指輪にはいくつもの四つ葉のクローバーの形の装飾がされていた。

「かわいい…」

「誕生日おめでと。
そのお祝いと恋人の印。」

圭吾は自分の左手を見せた。

彼の手にも指輪がはまっていた。

シルバーの太めの指輪に四つ葉のクローバーの形の装飾が一つという、私よりもシンプルなものだった。

「指輪の内側を見てごらん?」

圭吾が照れくさそうに言う。

私が指輪を外して中を見てみるとそこには筆記体で

『you are mine.keigo』

と刻まれていた。

「これっ」

「桜は俺のもの。
…なんちって!」

恥ずかしそうに笑う圭吾。

「もしかして最近あまり会えなかったのって…」

「あぁ…。バイトしてた!
桜にコレ買うために…」

圭吾は恥ずかしいのか、こちらをいっさい見ようとしない。

私はそんな圭吾が可愛く思えて後ろから抱きつくと、圭吾はいつものように笑って頭を撫でてくれた。




やっぱり信じられない。

圭吾が人を殺して生きているとは、私には思えない。

こんなに優しい人がそんなことができるはずがない…

私は彼を信じたい。