私の愛した人

「中、入ってみる?」

圭吾は入り口を指差す。

私はうなずいた。

中に入ってみると意外と広かった。

赤い絨毯に木製だけど柔らかそうな木の椅子。

そして何より、あのステンドグラスからこぼれ落ちる光はまさに、天からの木漏れ日だった。

見るものすべてに心が奪われる。

私は夢中になって周りを見回した。

「そんなに気に入った?」

「えっ?」

「すごく目がキラキラしてる」

圭吾の柔らかい微笑みに胸が跳ね上がる。

「ね、キス…していい?」

圭吾の手が私の頬を包む。

「あ、えと…今?」

恥ずかしくて目を逸らす私。

自分のいる場所を意識してしまい、緊張してしまう。

「そ、今。
ここで誓ってよ」

無理矢理顔を持ち上げられて、嫌でも圭吾の顔が視界に入るほど近づいてきた。

「目を逸らさずに、俺を愛し続けるって誓って?」

返事をするヒマもなく、甘く優しいくちづけをされる。

「桜大好き。」

そのままギュッと抱き締められる。

どうしようもなく私の胸がうるさくなった。

「け、圭吾。セリフくさすぎ」

ヤケになって対抗してやろうと言った嫌味。

「くさくてもいいよ。
それぐらい桜がスキ。」

卑怯すぎる言葉に私の胸は鳴り止みそうにもなかった。