私の愛した人

「うれしい?」

圭吾はまた心配そうな顔をして私の顔を覗き込んだ。

「あ、うん!すっごく!」

慌てて返事をする。

私は信じられないといった顔をする、圭吾の背中を駐輪場まで押していった。

遊園地に来たときと同じように、圭吾の後ろに乗って見慣れない道を走る。

「どこまで行くの?」

「俺ん家、ちょっと遠いんだ
もうちょっとだよ」

しばらく進んでいくと、周りに建物がほとんどなくなっていた。

辺りには木が多くなり、地面もコンクリートから土に変わっていた。

そして、ずっと先には小高い丘に教会が見えた。

それが少しずつ近くなっていく。

綺麗な青の屋根に真っ白な壁。

カラフルなステンドグラス。

それはとても美しい建物だった。

最近作られた堅苦しい建物ではなく、昔の知恵を生かされたような優しくやわらかい雰囲気の教会。

まるで、絵本に出てきそうなほんわかしたものだった。

「ここの裏が俺ん家。
コレはじいちゃんの教会だよ」

圭吾は無邪気に笑って指差した。

「すごく…キレイ…」

「じいちゃんが聞いたら喜ぶよ」

圭吾は少し自慢げに笑った。