「…あっ、ありがとな。これ」


と言って、借りた少女マンガを渡した。



「そういやあ、お前名前は?」


そういえば…まだ知らない。



「川口 りん、だよ」



「…ふーん……よろしく」


「今更だけどね」


川口とは何となく話しやすい。


話しやすい雰囲気を自ら放っている、そんな感じだった。