please your smile

「…け、警察、呼んだんですか?」




「そんなわけないじゃん、演技だよ」






彼はおびえる私の頭にポンと手を乗せた。







「家どこ?送るよ」







立ち上がろうとしても、



力が抜けて立てない。







彼は何も言わずに私をベンチに座らせた。







立てるようになった頃はもう明け方で。




朝日がまぶしかった。







暗くてよく見えなかった彼の顔もハッキリ見えた。