please your smile

「出られない?」




ユリはしんどそうに聞いてきた。








俺は背中で跳び箱を押してみたが、



何重にも重なっているようで、



ビクともしなかった。







「無理…跳び箱重くて」




誰か助けを待つしかない。








でも、今は放課後で生徒はほとんど帰っている。








頼りになるのは、



体育倉庫の鍵を閉めに来る先生だけだ。






それも、いつ来るのか分からない。