すると、彼と目が合った。


(うお…っ、やっぱりぱっちり二重だ)


呑気に予想が当たったことにひそかに喜んでいると、



「…あんた誰?」


目の前のイケメン君が
言葉を発した。

仮にも年上なのに、なんて生意気な言葉遣い。


「あ…わたしは、図書室の司書してる水島 和未」


まだ眠そうな瞳を、やる気なさそうにこちらに向ける。


「あ、あなたは?」


高校生だってのに、色気ハンパないんですけど。

そのせいで地味にどもってしまった。


「平澤 翼」



「…てゆうか、まだ授業残ってるのに、ここに居たらダメじゃない」


言ってやった。これでも一応年上なんだから。あんな色気に負けてたまるか。


「…必要な単位は取ってますから」


「(イラッ)」



これだからイケメンは。

自分がかっこいいからって、やること為すことすべて許されると思ってる。