「狭い部屋っていいわよね。こうして隅に座っても全部見えるし。」 へぇ、部屋の隅に座る理由がわかった。 なんかお嬢様らしいな。 お嬢様…そうだよ、ここにいる場合じゃない。 「あの、結婚は?」 「ケッコン…?それがどうかしたの?」 明らかにわざとらしくとぼけた顔をする琴未さんを、すっごい愛しいと思った。 駄目じゃん。帰さなきゃ。 「修さんとの、結婚ですよ。」