「我が儘?」 修さんは小さく頷いて、俯きながら"我が儘"の一言目を言うか言わないか考え込んでいるように見える。 うまいぐあいに客はさっきより減った。まぁ一時的だけど。 静かな空間。 長い沈黙の後、修さんは顔を上げた。 「君に、琴未を渡したくない。」 ――――