「琴未。もう今日は帰るよ。ゆせ君、お邪魔してすみません。」 「俺、優世っていいます。」 俺は少しかしこまった言い方をした。 ゆせは琴未さんだけに言ってほしい。なんとなく。 そうなんですか、と修さんはびっくりした顔で言った。 「では…式のことは、また。」 「いいんですか修様!」 「琴葉は黙ってなさい。琴未、優世君、元気でいてね。」 「修様…。では私も失礼します。」 夕日はもうすぐ沈もうとしていた。