朱の蝶

「セキ、お前、あんなに
 食えるわけねえだろう
 男の俺でも無理」

「だよな?
 だと思った」

弦の言葉に笑い合う声・・・

「あの、カイリさん
 ルイさん、良かったら
 一緒に食べませんか?」

「ああ
 じゃあ、頂きますか?」

「おう、うまそうじゃん」

「セキ、お前も食えよ」

「ああ」

私は、食器棚から適当に
小皿、お箸を取り出す。

そして一皿ずつ、料理を
取り分ける。

「どうぞ」

「ありがとう」

「ありがとう」