朱の蝶

私は、その場に立ち上がる
が、動けない。

「千景?」

私の顔を覗き込む、弦に
私は気がかりなことを問う

「ねえ、本当にいいの?」

「何、今更?」

「だって、彼女・・・
 
 弦のお母さんは、私の事
 反対してる・・・

 私のせいで、弦のお母さん
 の病状が悪化でもしたら
 私・・・」

「お前が、心配することは無い
 病状なら、バカ息子のせいで
 もう、いっぱいいっぱいさ

 何て、嘘だ、大丈夫だよ
 最近は落ち着いてるらしい
 
 千景、気にするなよ
 
 俺の母親だ
 いつかは、きっと
 分かってくれるさ」

「そうかな?そうだといいな」