朱の蝶

大きな銃声の音と共に
放たれた銃弾は、振り返った
千景の背に目掛けて飛んでくる

立ち尽くす千景を強く
押し退ける弦の左脇腹を
貫く銃弾。

弦は、痛さに堪えながら
意識が混乱する中で四柳に
向けて発砲する。

そして、そのまま膝を付き
その場に倒れる。

四柳へと放った弾丸は
四柳の腰元を、僅かに
掠めただけ・・・

倒れた弦の腹部から朱い血が
溢れ、流れる。

「ゲン、嫌

 イヤや~」

瞳を閉じたままの弦・・・

感じる、冷たい静寂・・・