朱の蝶

『俺じゃ
 お前を助けられない』

いつかの想いを、俺は
ここに訂正する。

助けてみせるさ。

お前だけは、俺の命に
代えても・・・

四柳は、銃を構える男の
傍に近づく。

「貸せ」

男から銃を奪った、四柳は
銃を構える。

「もう、終わりにしようや
 ないか

 そろそろ、サツの
 お出ましや

 これ以上
 面倒は、ごめんやで」

銃口を千景に向ける四柳。

私の前に立ちはだかる
濡れたシャツが纏わり付く
弦の背中を数秒間見つめた。

私は、後ろから弦の肩に
触れ、弦の前に立つ。