朱の蝶

抗争の最中、銃口を向けられた
まま、口づけを交わす二人を
祐は、一番近くで見つめる。

『二代目、愛しています』

愛する女の幸せは

ここ(祐の元・この世界)
ではなく

そこ(弦の傍)にある。

弦・・・

貴方の愛に包まれた私は
この一瞬だけ、女に戻る。

そして、女に生まれた事を
私は、心から喜ぶ。

愛する男の逞しい腕の中
私は今

ほんま、最高に幸せや

少し背伸びをして、貴方の
耳元に囁く。

「気持ちいい」