「何や、誰や思ったら
 二代目の、男の登場
 かいな?」

四柳の声・・・

私は、弦から距離を取る。
 
「セキガミゲン言うたら
 確か、チハヤを殺した
 男の名前やったはず

 そいつが二代目の男?

 ふうん、組員らは誰も
 二人の仲を知らんかった
 みたいやな」

神前組の男達の顔は
さっきまでとは、一転し
やる気なく、だらけ
意気消沈している。

神前組の足並みが、この
大事な場面で崩れてゆく

呼吸が乱れていく・・・

今度は、四柳の笑い声が
聞こえる。