朱の蝶

私の体に刻み込んだ針の跡が
チクチクと痛む。

『女を捨ててほしい・・・』

『チカゲ、お前だけや』

顔を覆うと、そこには
真っ暗な世界が広がる。

流れ落ちる涙が、掌に
溜まっていく。

チクチク・・・痛い

『死ぬほど、心配したんやぞ
 キスぐらいくれや・・・』

『もう一回だけでええ
 俺の女になれや
 
 嘘や・・・

 お前は、この俺には
 勿体無い
 高嶺の花や・・・』

痛い・・・

この胸が苦し過ぎる。