朱の蝶

私は、一新の耳元
小声で言う。

「大丈夫、祐に貰って
 持ってる」

私は、自分の腰元を
パンパンと叩いた。

そう、拳銃を隠し持っている

「自分の命ぐらい自分で守る」

頷く、一新。

「これは、これは
 神前組、組長さん
 そこに居ったんですか?」

一歩を踏み出す、四柳の足元
に勢いよく唾を吐くのは柳五

吐いた唾に、血が混じる。

汚れる、ズボンの裾・・・

「近づくなや、シリュウ
 
 お前が触れられる
 女や無い」

「リュウゴ、お前
 自分の立場が、まだ
 分かってへんようやな?」