朱の蝶

うすら笑う、一新・・・

「そうかぁ
 遣る言うんやったら
 しゃあない・・・

 連れて来いや」

その冷めた言葉に、驚く
西村組の組員。

「親父・・・
 本気ですか?」

「当たり前や
 はよ、連れて来い」

男が向かった部屋から出て来た
のは、柳五とその舎弟頭。

昨夜、酒を汲み合わせ
笑い合った男達・・・

でも顔は、原型を留めないほど
殴られ、酷い状態。

幾ら、自分を裏切ったからと
実の弟に、こんな惨い事をする
だろうか?

四柳・・・

ベッドに倒れる
ニイナの姿が脳裏に浮かぶ

どこまでも、残酷な男。